漢字には学校で習う音読み・訓読みの他に、人名訓という特殊な読み方がある。
人名訓とは「その漢字は普通はそう読まないけど、人名に用いられている時だけはそう読むことがあるよ」という読み方である。
普通「陽」という漢字は、音読みで「ヨウ」、訓読みで「ひ」と読む。
しかし漢字辞典で調べてみると、人名訓には「はる」「あき」「あきら」「おき」「きよ」「きよし」「たか」「なか」「や」といった読み方が挙げられている。
ちなみに具体的な漢字辞典としては
「角川大字源」角川書店(1992)
「新漢和大字典 普及版」 学習研究社(2005)
「岩波 新漢語辞典」第3版 岩波書店(2014)
「全訳漢字海」第4版 三省堂(2017)
等がある。
複数の漢字辞典に載っているということは、つまり複数の漢字の専門家が「陽は人名では"はる"と読むことがありますよ」とお墨付を出しているということである。
具体的に「陽」を「はる」と読む歴史上の人物・人名としては、例えば下記のような例がある。
井伊直陽(いい・なおはる) 江戸時代中期の大名
三島通陽(みしま・みちはる) 1897年生まれの政治家・作家
石川総陽(いしかわ・ふさはる) 江戸時代中期の大名
大関増陽(おおぜき・ますはる) 江戸時代後期の大名
「陽」を「はる」と読むのか?
キラキラネームじゃないのか?
と気にされている方が結構多いようなので、御参考までに。