医学の勉強をしていると「なんでそう略すの?」という略語にブツかる。
一番ポピュラーなのはSpO2だろう。
経皮的酸素飽和度とか経皮的動脈血酸素飽和度と訳される。
「saturation of percutaneous oxygen」の略だとされるようだが、その原典・初出がハッキリしないので、言葉の定義をしっかり把握したい学生は皆モヤモヤさせられる(笑)
あとは呼吸器系だと、一定時間の間にどれだけ肺胞内の空気が換気されるかを示す「肺胞換気量」という用語がある。
換気や潅流は「perfusion」なのでPと略して欲しいのだが、なぜか「Q」と略すのである。(正式にはQの上にドットが付く。)
ちなみに「なんでそう略すの?」の世界チャンピオンはPHであろう。
デンマークの化学者セーレン・セーレンセン(1868年〜1939年)は水素イオン濃度の重要さに気付き、それを示す指標として水素イオン指数 hydrogen ion exponent を考案した。
そこまではいいのだが、セーレンセンはなぜか水素イオン指数をPH+と表記して、しかもその理由を説明しなかったのである。
なんというモヤモヤ感!
ちなみに当時セーレンセンが所属していたのはカールスバーグ研究所。
世界的ビールメーカーで、英サッカープレミアリーグのリヴァプールFCのスポンサーでお馴染みの、あのカールズバーグである。