快晴満月無風

メモ・自由研究

快適歩行13:なんでそう略す?

医学の勉強をしていると「なんでそう略すの?」という略語にブツかる。

 

一番ポピュラーなのはSpO2だろう。

経皮的酸素飽和度とか経皮的動脈血酸素飽和度と訳される。

「saturation of percutaneous oxygen」の略だとされるようだが、その原典・初出がハッキリしないので、言葉の定義をしっかり把握したい学生は皆モヤモヤさせられる(笑)

 

あとは呼吸器系だと、一定時間の間にどれだけ肺胞内の空気が換気されるかを示す「肺胞換気量」という用語がある。

換気や潅流は「perfusion」なのでPと略して欲しいのだが、なぜか「Q」と略すのである。(正式にはQの上にドットが付く。)

 

 

ちなみに「なんでそう略すの?」の世界チャンピオンはPHであろう。

ピーエイチ|単位プラス|大日本図書

 

デンマークの化学者セーレン・セーレンセン(1868年〜1939年)は水素イオン濃度の重要さに気付き、それを示す指標として水素イオン指数  hydrogen ion exponent を考案した。

そこまではいいのだが、セーレンセンはなぜか水素イオン指数をPH+と表記して、しかもその理由を説明しなかったのである。

なんというモヤモヤ感!

 

ちなみに当時セーレンセンが所属していたのはカールスバーグ研究所。

世界的ビールメーカーで、英サッカープレミアリーグのリヴァプールFCのスポンサーでお馴染みの、あのカールズバーグである。

 

 

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画像はFOOTBALL TRIBEより引用