快晴満月無風

メモ・自由研究

上段蹴りの脚の上がりについて

 上段蹴りの脚の上がりは、まず左右の股関節に生じた角度による。(飛び蹴りは別である)

 基本的には股関節の外転と屈曲の複合運動によって角度を生じることになるだろう。

 

 それだけだと単に「上段を高く蹴りたいなら、股関節の可動域を広げましょう」で終わってしまうので、それ以外の要素を考えてみる

 

 まず一つは骨盤よりも頭側に存在するもの、腰椎と胸椎である。

 蹴り脚の股関節は柔軟性を目一杯に発揮していくらでも角度を出せばいいが、軸足側の股関節が角度を出し過ぎると、体幹が側方に傾斜してしまうことになる。

 

 「体幹を傾斜させた状態でバランスを保って蹴る」というのも技術だろうが、あまり傾斜させ過ぎると重心が足底の支持基底面を外れて転倒する。外れないように蹴ろうとすると、蹴り脚をより遠位に蹴り出すことで天秤のようにバランスを保つ必要が出てくるので、遠い間合いでしか蹴れないことになる。またモーションが大きくなってしまうとかコンビネーションに繋げないといった戦術上の問題も出てくるだろう。

 それを防ぐ腰椎と胸椎が重要である。体幹をしっかりと起こす。

 

 そして膝の伸展である。高く蹴ろうとしてもハムストリングスが突っ張って膝が伸びきらない、ということは非常に多い。

 基本的にはハムストリングスの柔軟性を上げるべきだが、腓腹筋が膝の伸展を妨げることもある。それを防ぐためには、なるべく筋収縮を伴わない形で足関節を底屈位にすることである。他動的に底屈位になれば腓腹筋は弛緩するので、膝の伸展を妨げない。