快晴満月無風

メモ・自由研究

快適歩行11:鉄塔 その1

鉄塔に以前から興味がある。

鉄塔を大日本国語辞典で引くとこうある。

てっ‐とう‥タフ【鉄塔】
〘名〙
①鉄の塔。
*今昔(1120頃か)七
「其の傍に一の鉄塔有り、大般若経の二十万偈を収め奉り」
②高圧送電線などの支柱とする、鉄骨を組んだ柱。
潮騒(1954)〈三島由紀夫〉七
「鴎が、鳥羽駅前のケーブル・カアの鉄塔よりも、もっと高く飛ぶ瞬間に」 

もちろん①の今昔物語にある鉄塔は仏教経典を納めるもの。奈良時代称徳天皇が百万塔という木の小さな塔を百万基作らせ、その中にお経を納めたという。法隆寺に今も一杯あるらしい。

私が気になるのは②の方である。ブリタニカには②の意味に限って記載がある。

鉄塔
てっとう
iron tower

鉄骨,鉄柱を素材とした塔。 無線通信用鉄塔,索道用塔,照明塔などがあり,その形状および規模は用途に応じて多種多様で,四角形または三角形の断面のトラス 構造が一般に用いられる。 鉄塔が造られはじめたのは,鉄が大量生産されるようになってからで,歴史は新しく,柔軟性,軽量にできるなど,鉄のすぐれた特色を生かすことができるが,鉄塔は一般に屋外にあって雨露にさらされているので塗装や亜鉛メッキを施す必要がある。 付帯設備としては昇降階段,ステップボルト,踊り場,避雷装置などをつけ,地表面から 60m以上の高さの鉄塔は通常,航空障害灯および昼間障害標識を設置しなければならない (航空法 51) 。 歴史的なものとして,1889年パリ万国博覧会のシンボルタワーとして建造されたエッフェル塔 がある

 

そうか、エッフェル塔も鉄塔なのか。エッフェル塔は1889年の第4回万国博覧会の目玉となるべく建てられた高層建築だったが、その後に電波を受信したりラジオを送信したりといった無線通信用鉄塔としての機能を持つようになった。

そして初めて聞いた言葉だが、索道とは架空索道の略で、ロープウェイ等を指す言葉である。確かにロープウェイは鉄塔から鉄塔へとケーブルを渡して運行している。

さく‐どう‥ダウ【索道】
〘名〙 (「架空索道」の略) 空中にかけわたした鋼製などのロープに運搬器をつるして、人や貨物を運ぶ設備。ロープウエー。
禰宜様宮田(1917)〈宮本百合子〉六
「此那こんなところから、索道が見えようとは」 

 かくう‐さくどう‥サクダウ【架空索道】
〘名〙 鋼索(ケーブル)で運搬器をつるし、旅客、貨物、鉱石などを運ぶ装置。山地、港湾など陸上運搬に不便な場所で用いられる。空中索道。空中ケーブル。ロープウエー。〔新しき用語の泉(1921)〕

 他には電線を伸ばすための送電用の鉄塔、風を観測するための鉄塔、煙突を支えるための鉄塔なんかがあるようだ。日本鉄塔工業株式会社のホームページには、鉄塔事業の実績紹介として、オービスを乗せるためのアーチ型の構造が載せられている。うーん、あれも鉄塔なのだろうか。